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    ■「プロジェクト学習奮戦記」(15)   2004.7執筆


私の情報教育との関わりの原点は、へき地の小規模校に勤務していることに「インターネットの教育利用」に関心をもったことからスタートしています。9名の子どもたちを担任し、子どもたちに広い視野をもたせたい!少人数の環境でもできる教育を、極小規模だからこそできる教育の可能性を“インターネット”に期待していました。

今回は、その昔話と情報教育の今後を考えてみます。

◆海外からの初メール

 8年前の夏、アメリカからメールが来ました。学級の子どもたちの様子を紹介するHPを作成し、「HP見ました」というメールがやってくるようになったころ、ついに海外からメールが…。海外在住の日本人の方でしたが、なかよくなり、学校のパソコンクラブの子どもたちとメール交換が始まりました。
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「アメリカの○○さん、ながいメールをおくってくださってどうもありがとうございました。とてもパソコンがたのしいです。また、どんどんメールをおくりますので、どんどんメールをおくってくださいね。」

「Aちゃんへ、パソコンでたのしく、たくさんお勉強して下さい。」

「○○さん、今アメリカでどんなことをしておられるのですか?よければ、アメリカのことをメールで送っていただけないでしょうか。楽しみに待っています。では、よろしくお願いします。」

「アメリカでは仕事の準備をしてます。1週間に1度だけボランティアでここの図書館で子供達にコンピュータを教えてますが、とてもきれいで大きな図書館があります。子供用のコンピュータがあってみんな自由に使えるし、アメリカで1番人気のある良いソフトが揃ってます。みんな必死(取り合い)に、楽しく使ってますよ。」

「1週間に1度ボランティアをしているんですね。すごいですね。コンピューターを自由に使えるなんて「ラッキー」ですね。うらやましいです。」

「図書館には2才位の子も来ますが、絵本のソフトを見せると、身動き1つせずにコンピュータにくぎづけになってます。実は私も絵本になってる物語のソフトが大好きです。夢がありますよね。Bちゃんはどんなソフトが好きですか?」

「○○さん、図書館には2才くらいの子も来るんですね。2才の子どもたちが来ると○○さんも大変ですね。これからもがんばってください。」



◆7年前のメール交換

 ずいぶん前になりますが、私が小学1年生を担任していたころのメール交換の記録です。
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★横浜の1年生(あかねさん)と

あかねさん、げんきですか?三ざわ小の1年生は、げんきです。
よこはまにもゆきがふって、たいへんでしたね。こちらには、ゆきがありません。みんなうらやましいといっていました。
三ざわ小のパソコンがふえて、4だいになりました。そこで、このメールは、みんながひとりひとりパソコンのキーをうってつくりました。
、や。は2つおさないとできないのでおしえてもらったりしてつくりました。

・いないよ。あかねさんは?しょうた
・あかねさんは、くだものでなにがすきですか。あかり
・テレビゲームであそんだよ。たこあげであそんだよ。しょうへい。
・ぼくはテレビをみたよ。せいや
・37ひきぐらい。ところでさいしょにえらんだぽけもん、なにをえらんだ?たくや
・あっそう。こっちは、ふってないよ。ふってほしいよ。なつき
・なおったよ。あかねさんは、かぜをひいていませんか?ひろみ
・7さいです。たんじょうびは12がつ20にちだよ。あかねさんはいつですか?まき
・じゅうにがつみっかです。もうすぎました。ゆう。

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★アメリカの中学生(日系人の少女)と

Kyouwa otousan to MGM Grand Hotel no musical wo mini ikimashita. Tottemo tanoshikattadesu.

Raishuuno kinyoubi kara watashiwa haruyasumi desu. nihon wa mou haruyasumi desuka?

Ja~ne, bye bye

from Reina

※ローマ字での交流でした。(私が日本語に“翻訳”して交流していました。)

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 Windows95のPCを使って小学校1年生が行っていたメール交換の一部です。1年生でも「かな入力」でキーボードを打たせていました。学級のホームページを作成して、このほかにもいろいろな人とメール交換を行ったり、写真のやりとりも頻繁に行ったりしていました。

 実はその当時は、学校のHPは全国でもそれほど多くなく、教育関係者のHPも少なかったです。アメリカの少女は、海外から日本の小学生のメール交換の相手を探していて、たまたま私のHPを見つけてくれたそうです。

 子どもたちは、相手がいれば、伝えたい気持ちが意欲をかきたてて、夢中でキーボードに向かっていました。


◆6年前のグローバルプロジェクト(海外の小学生との共同HP作成プロジェクト)

今考えれば、かなり先進的な取り組みだったと思うのが、その翌年取り組んだ海外の小学生との共同HP作成プロジェクトです。現地の小学生と英語でHPを作ろうというのですから、やや無謀?かなりのエネルギーを使いましたが、得るものの大きい、価値ある経験でした。共同プロジェクトを通し、子どもたちは成長できました。

http://www.toshie-suzuki.net/kokusai/index.htm

ここの「IT活用グローバルプロジェクト」に少し紹介してあります。

実際に作成した共同HPは(イタリアのHPですが)
http://web.genie.it/utenti/m/martini12/giardino/indice_vc.html  (※リンク切れです。)

このプロジェクトの感想を紹介します。

○アメリカの子どもから
I think that the Virtual Classroom program is a wonderful way to learn about other cultures and the differences between our countries. The individuality of every class we've worked with has been an experience I am sure none of us will ever forget.
Thank you Virtual Classroom! by ○○, U.S.A.

○イタリアの子どもから
The virtual classroom is a link with two countries: Colorado and Japan. This work is important also to know characteristic ambient and cultural or manner of speaking to think. The three classes have worked in the same way. ○○

○日本の子から
The homepage was made from the friend and the virtual classroom of the United States and Italy together.I can understand what plant and bird are in your countries. I am glad to know and get the Japanese plants and birds. I have worked happily.(by ○○ ,JAPAN)

※Virtual Classroom programというのは、共同HP作成プロジェクト

初期の頃から、パソコンを、「コミュニケーションのツール」として使うことに私自身は夢中になっていました。その考え方は今も変わっていません。


◆その後のプロジェクト
その後は、専科教員として、各学級のIT活用をサポートする役を努めながら、「TV会議」の活用を推進していくとともに「総合学習」の推進役を果たしていきました。

・「日本列島縦断何でも交流プロジェクト」で、静岡県、宮崎県、京都府、和歌山との5校による定期的な交流学習(「総合学習」での継続的な交流)
・「成長するHPプロジェクト」(HPを交流しながら成長させる「総合学習」)
・「奇跡のIT活用」(農業高校との継続的な交流・共同授業)

ITで人と人との心をどうつなげるか。教育的な価値が生まれるにはITをどう活用したらいいのか。そのことを考えていました。


◆今後の私の進む情報教育

今振り返って考えてみると、人と人とが仲良くなるための道具として、パソコンを使うという考え方はずっと変わっていません。

コンピューターを使いこなす技術よりも情報を“読み取る能力”、メディアリテラシーや情報リテラシーの重要性、「情報モラル」の教育の必要性が今また注目されています。

パソコンに使われるんじゃない。パソコンを必要に応じて使ってやるんだ!情報に踊らされるんじゃない。情報は自分で選ぶんだ!インターネットの悪い部分も知った上で使ってます!…そういう子どもたちを育てていくんだ!

2学期が始まるのが楽しみです。

○2学期の予定
★大学生と小学生の交流を取り入れた「食育」プロジェクト開始
★院内学級の友だちとの交流(IT活用)継続
★教科へのポートフォリオ導入“算数ポートフォリオ”授業公開

まだまだ挑戦は…続きます!



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