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■「プロジェクト学習奮戦記」(20) 2005.1執筆 ◆小学3年生「おやつプロジェクト」進行中! 今、加茂小3年生では、総合学習「おやつプロジェクト」がいよいよ佳境に入ってきました。チーム毎に提案書を作る活動が始まっています。 調べたことをただまとめるのではなく、チームとしての具体的な提案(実際に役立つもの)にどう持っていくか。各チームへの「指導」が入ります。子どもたちにしっかり考えさせる場面です。 ・全体のテーマ:「健康で体にいいおやつを食べてほしい」 ・全体のゴール:「小学生と家族のための健康で体にいいおやつのとり方の本を作る!」 ○チームの例 ・病気チーム テーマ:「小学生に病気にならない食べ方を教える!」 →提案「ひまんにならないために… ・きそく正しく食べる ・野さいを食べる ・体を動かす ・よくかんで食べる ★肥満細胞を増やさないための方法を具体的に考えさせています。 ○おやつの量チーム テーマ:「大人と子どものために自分に合った量を教える!」 →提案「少し、お皿に入れて、食べるといい!」 一日の量をきめて食べよう! ★実際に行動に起こせるためのアドバイスを考えさせています。 このチームの提案をどう絞っていくかというところは、時間とエネルギーが要ります。子どもたちの安易な“結論”に妥協しないで、本気になって考えさせる場面なのです。教師が作るのではく、子どもたちの考えをうまく引き出していくのです。成果物を見る人の立場になって考えさせていきます。 これを小学3年生にさせるには、やっぱり根気が要ります。やる気をそがないようにも配慮しつつ、認めながら…。 ☆ ☆ ☆ ┌--------------------------------------------------------┐ |ここまで書いていたら、私のやる気をそがれるニュースが… | └--------------------------------------------------------┘ ※ここからお話が変わります! ■18日の「中山文科大臣発言」 1月19日の朝の職員室。新聞記事を私に見せて、「若槻さん、こんなのが出ているねえ。」と話しかける先生がありました。そう、「中山文科相、総合学習の削減示唆」という記事でした。私が、総合学習の研究開発時に研究主任をしており、「総合」への思いが強いからこその言葉でした。ニュースは知っていましたが…(この先生は私にどんな答えを期待しているの?) やや返答に困って、わざとしかめっ面をして、「現場を知らない大臣の発言は困る!」と答えました。 今の“学力低下論”の矛先は、総合学習や週5日制に向いています。特に「総合学習」への風当たりは厳しいものがあります。ついに来たか…という思いもありながら、中山大臣はなぜそんな発言をしたのだろう。本心ではあると思うが、今、大臣の立場でそこまで言うのか…と思いながら、記事を詳しく読んでみました。 それによると18日の発言の前に、大臣自身の母校の宮崎県小林市立小林中学校での第1回目のスクールミーティングに参加して、現場の教員との意見交換を行ったそうです。そして、その際、「総合的な学習や選択教科の時間を減らしてほしい。」という教員の声が…。そうか中学校か…。 ※文科省の「スクールミーティング」のページ http://www.mext.go.jp/a_menu/gimukyou/meeting/index.htm 文科省「教育現場における実際の取組みを見たり、保護者や教職員、子どもたちの生の声を聴くことにより、今後の施策の推進に役立てます。」 (ちなみにこれから全国で300校の学校への文科省職員の訪問が始まるそうです。) ■中学校での総合の評判 中学校での“総合批判”に対して、正直言って(やっぱりな。)の思いがします。研究主任だったころ、全国の指定校の先生方と意見交換する機会が何回かありました。初期の頃、総合学習の印象はこんな感じでした。 (あくまでも私の主観です。) ・小学校では好意的に受け入れられ、何をしようかを考えています。(担任が週3時間するよ。) ・高校では、担当の先生ががんばる!(まあ週1時間だけだから。) ・中学校は、…誰がするの?(週2時間もあるよ。) 総合学習導入当時の中学校の先生達の総合学習への評判はどうもよくありませんでした。「高校受験」や「教科担当」の壁に阻まれている感じがしていました。 このMMでは、総合学習の中学・高校の熱心な実践が紹介されていて、参考になりますが…。 ■総合学習の行方は?〜広がる格差 学校現場に任され勝手にやれ!と言われて始まった総合学習。地域の中で試行錯誤しながら一生懸命取り組んできた真面目な教師や子どもたちにとって、今回の大臣発言は、…あまりにも軽いし、無責任! 総合学習か教科かの二極論ではなく、両方が大切なんだとなぜ気づかないんだろう。確かに遊びで終わる稚拙な総合もまだ多い。だからこそ、「総合の授業の質をよくしていこう。そのための支援を国がしていきます。」なぜ、そうならないんだろう。 教科学習だけでなく、考える力を育てようと総合学習にも力を入れて取り組む学校もあれば、一方で体験のみのお遊びの総合しかしない学校。その格差は確実に広がっているように思います。 子どもたちが成長する総合学習を創っていくには、教師の指導力が必要です。基礎の徹底から問題解決学習、総合学習まで手を抜かない先生がたくさんいる学校の方が学力が高いのです!指導力のある教師とは、自分の授業を見られることを嫌がらないで、いつも授業をよくしようと積極的に取り組む先生なのです。 この国の教育はどこに向かっているんだろう。不安な2005年の幕開け。 ☆ ☆ ☆ ┌--------------------------------------------------------┐ | 目の前の現実にもどって | └--------------------------------------------------------┘ これからの子どもたちとのを総合「おやつプロジェクト」をどう進めるか。。来週の学力テスト(国語と算数)も気になるなあ。思案は続く。 |
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