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    ■「プロジェクト学習奮戦記」(6)   2003.10執筆

◆福祉ボランティアを広げよう!プロジェクト展開中

 今回は、5年生で進めている総合のプロジェクト学習のその後を紹介します。
現在テーマ・ゴールが決まり、チームができて、それぞれで情報リサーチを展開中です。
まず、どんなチームができたかというと…全10チームのテーマは以下の通り。
○「物語」グループ(5人)
・加茂の人たちが自分からボランティアをしようという気になるような物語を作り、たくさんの人に読んでもらう。
○「一人暮らし」グループ(9人)
・一人暮らしのお年寄りさんが毎日楽しめるといいな。
○「お弁当」グループ (2名)
・お年寄りさん達が健康で過ごせるように栄養のバランスを考えたお弁当のメニューを考えよう!
○「イベント」グループ(9名)
・イベントを開いてお年寄りさんに楽しんでもらい長生きをしてもらう。
○「交流」グループ(5人)
・お年寄りさんに喜んでもらいたい。だからゲームをして喜んでもらう。
○ポスターグループ(4人)
・ポスターをはって、見た人がボランティアをする気になってほしい!
○「HP1」グループ (5人)
・ボランティアをする人をふやす!お年寄りさんに喜んでもらう!
○「HP2」グループ (4名)
・HPを作って全国のたくさんの人にボランティア活動を知ってもらいたい!
○「ビデオ」グループ(4名)
・ボランティアをしたいと思っている人のためにビデオを作って紹介する!
○「新聞」グループ(3人)
・私たちの訪問内容をみんなに知ってもらってボランティアって楽しいんだ。こんなに簡単なんだと思ってほしい。そして、自分もやってみようと思ってほしい。

◆「福祉」のプロジェクト学習は難しい!
 高齢者の福祉について取り組んでみると、(福祉って難しいなあ)と感じています。お年寄りさんにすぐに喜んでもらい、うまくいってしまうのです。ハードルが低すぎるのです。がんばらなくてもできてしまうので、子ども達のプロジェクトがすぐに成功してしまうのです。
 だから、自分たちが交流して喜んでもらうという活動から、ボランティアを広げる。他の人の心を動かし、ボランティアをする人を増やすことをねらいとして取り組んでいます。見た人がその気になる「ボランティア紹介本」を作ることを共通のゴールにしています。
 また、体験や取材で施設等を訪問するには、相手の都合がでてきます。授業時間に合わせるのも実は大変です。相手を広げれば広げるほど時間調整が困難になってきます。今回のこの学習は、町の福祉関係の方と一緒に計画を立て、連絡を取り合って進めています。これまでの「地域連携」の実績があるので、スムーズにいっています。

◆「福祉」の学習に子ども達は意欲的!
 プロジェクト学習としては、少し難しい面もありますが、実際にお年寄りさんと関わって、喜んでもらい、「また来てね。」と言われて、子ども達は、意欲的です。人と関わり、すぐに反応があることで、意欲が持続していきます。子ども達のこの意欲を大切にしながら、自分たちが体験するだけで終わらない!人に勧めることで社会の役に立つんだ!と高いレベルを目指すプロジェクト学習にしていきたいと考えています。

◆情報リサーチの中間発表会
 それぞれのチームの取材や体験等情報を集めたところで、「中間発表会」をしました。情報共有場面で、お互いの活動の様子を知り、参考にするとともに、活動したことをただ紹介するだけでは人の心を動かす紹介本にはならない!内容をもっと考えよう!という「考える授業場面」を設定しました。活動しっぱなしで終わらないで、活動を振り返り、計画を見直す場をこうして各フェーズ(段階)でとることも大切です。

 ※その詳しい授業は…こちらのページの「5年総合」をご覧下さい。
http://serv.kamo-e.shimane.schoolnet.gr.jp/kenkyu/h15kenkyukiyou/kiyou.htm(※リンク切れです。)

★ボランティアのコツは“楽しく”“ウィン・ウィン”の関係
 中間発表会で子ども達に考えさせる場面で、実際にボランティアをしておられる方のインタビューのビデオを使いました。取材してお話を聞くと、いろいろと参考になることがありました。ボランティアの本質にふれる部分だと思います。
 ボランティアを続けてやっている理由は、「自分が楽しいから」「お年寄りさんも楽しい。その姿を見ると自分も楽しい。」どちらにとってもうれしくてメリットがあるから、ウィン・ウィン(Win-Win)の関係なんです。
 そして、「してあげる」という気持ちではなくて「させてもらっている」という気持ちでやっておられるそうです。「してあげている」と思うとうまくいかなかった時に(せっかくしてあげたのに…)という気持ちになってしまいます。無理をせず、自分自身が楽しむことがボランティアを続けるコツだという話でした。この話や子ども達へのアドバイスをビデオで紹介してもらいました。
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