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■「プロジェクト学習奮戦記」(10) 2004.2執筆 このMMで、鹿児島の梅田さんが先日紹介してくださった“牛舎からTV会議”の相手の島根・加茂小の若槻です。今回は、そのお話の総決算です。 ◆午後6時のTV会議 2月27日(金)、場所は外は薄暗くなってきた島根加茂小の多目的スペース。誰もいないこの場所で、薄暗くなったTV会議のモニターの画面に向かって話しかけてみました。 「こんにちは。誰かいますか?」 (しばらくして声が…。) 「は〜い。」 「赤ちゃん産まれましたか?」 「いいえまだです。」 「今日で二日目、大変ですね。今日も母牛は、元気にエサを食べていました ね。」 「ええ、産まれる前になるとエサを食べなくなるんですよ。出産はもう少し 先のようです。」 「そう言えば、テールも産まれるまで何日もかかったんですよね。」 「はい、そのテールももうすぐお母さんです。」 しばらく、馴染みの高校生さんとお話ししました。 岡山県高松農業高校の牛舎と島根・加茂小の牛舎を結んでの“毎日つなぎっぱなし”のTV会議では、直接の交流も生まれました。「心がつながるいT活用」として、以前このMMでも紹介させてもらいました。まだ時々TV会議をつなげています。25日に出産予定の牛がいて、それ以来ずっとTV会議をつなぎっぱなしでいました。 ◆卒業おめでとう!祝!高松農業高校! 2年間交流を続けてきた高校生さんも今日3月1日が卒業式。(以前加茂小を訪問してくれた奥野君、中根さんも卒業です。おめでとう!) 初めてのTV会議を使った授業では、緊張しながらしゃべっていた高校生さんも成長していきました。つなぎっぱなしのTV会議から普段の自然な会話が生まれ、交流が深まっていきました。直接の交流もでき、昨年4月に修学旅行で訪問した時には、小学生に、自分たちの専門性に自信を持って説明してもらいました。 そういう高校生の姿を目の当たりにした小学生にとって、この交流や共同授業の経験は貴重なものとなりました。命の大切さを感じ取ったり、夢を語る高校生の姿に心打たれたり、本当にうれしい交流ができました。みなさんのことをきっと忘れないでしょう。 先頃、畜産科の3年生さんたちから卒業の記念のメッセージ入りパネルが送られてきました。1年前に卒業したそめさんからは、お祝いのメッセージもいただきました。加茂小からもお礼にビデオとメッセージ色紙をお送りしました。仔牛が産まれ、成長し、やがて母牛となっていく。命が生まれ、命が育まれ、やがて新しい命を生んでいく。その過程を見守り続けた高校生と小学生も成長していきました。 出会いはTV会議。数々のドラマが生まれ、交流を重ね、たくさんのもの(プレゼント)が動き、直接会うこともできたのは、心がつながっていたから。 ※交流の様子は、こちらの掲示板でもご覧になれます。 http://www.hiro.jpn.org/bb/bbs/0149/index.html(※リンク切れ) ※もうしばらくするとこの実践の様子がビデオで見ることができるようになりそうです。(インターネット活用実践コンクールで「実行委員会賞」をいただきました。) http://www.netcon.gr.jp/ ◆ITは心をつなぐ パソコン、インターネット、ケイタイ…これらは冷たい道具。でも、使い方次第で、思いや願いを伝える道具となる。IT化が進み、学校では、遠隔地を結んだTV会議やWebを使った交流、共同授業がこれからはどんどん増えていくことでしょう。教室が世界とつながる。環境は整っていくでしょう。だからこそ、それを道具として使う人の頭や心が大切。ITをコミュニケーションのツールの一つとして使える子どもたちを育てていきたい。人と人との心がつながるってすてきだって教えてあげたい。 ┌─────────────────────────┐ | ・ITは「相」T……相手のことを考えて使う。 | | ・ITは「会い」T…使っていると会いたくなる。 | | ・ITは「愛」T……つながっていたい心、愛情。 | └─────────────────────────┘ 最近、このMMでも連載の中で人とのつながりが紹介されていて、思いや願いを共有することの温かさを感じています。みんな素敵な人たちですね。高木洋子さんも先日登場してくださり、寄稿文を拝見しながら、昨年、沖縄でお会いした時のことを思い出しました。 このMMを運営、コーディネートしてくださっている梶原@インターネット編集長さんにも感謝しています。 |
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