「総合とインターネット」                    10  11  12 


  ■「総合とインターネット」(10)  2002.12執筆

今回は、現在加茂小5年生で「総合学習」で取り組んでいることを紹介します。これまでに高校生(岡山県高松農業高校)とのTV会議を中心とした交流学習の様子をお知らせしましたが(「総合とインターネット」(4)〜(6))、この単元の全体像やその後の取り組みを再び紹介します。
  
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  ┃小学5年:健康な未来を作ろう!プロジェクト    ┃
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◆ 命と健康を考える力が必要
 「体験だけで終わる」総合や「調べて発表だけの」総合では、生きる力は身に付かない。子どもたち自身が、現実の社会を見つめ、現代社会の問題に対して、どう立ち向かい、判断したらよいかを自分で考える力を育てていくことが総合では重要です。そのために、現実に今問題となっていることを取り上げていくことが必要だと考えました。
 最近、食の安全性に対する問題が多 く取り上げられています。ダイオキシン、BSE、残留農薬、環境ホルモン、消費者の食品に対する不安や不信が高まると共に、命や健康を自分で守ろうとする意識も生まれてきています。21世紀を生き抜く子どもたちにとって、命や健康を考えるリテラシーが必要です!
 
◆ 第二次性徴期だから「命を大切に」
 体の大きな変化が見られる第二次性徴期(小学校高学年)に命の大切さを考え、自分を大切にし、自分に自信を持てるような学習を行うことは重要であると思います。自分の成長を自覚し、自分の命がどう育まれてきたかを考えることは、この時期に必要なことです。

 この命と健康を大切にする社会を作るために自分たちにできることを社会へ提案する学習は、これからの時代を生き抜くために、そしてこれからの自分の生き方を考えていくために必要であると考えて取り組んだ実践なのです!
 
◆ テーマとゴール
◎テーマ:みんなの命を大切にしあえる未来にしよう。
 食べ物や環境との関連を考え、健康という共通テーマのもとに、子どもたちがそれぞれ多様なテーマに取り組み、根拠を持って具体的な結論を出し、社会に提言する活動を行う。
◎ゴール:命や健康を大切にするためのハンドブックを作る。

◆ 展開のポイント
1.ポートフォリオの活用
 自分自身の成長を振り返るパーソナルポートフォリオ作りを行い、命が育まれてきたことを気づくことができました。さらに、学習の跡を記し、成長を自覚できるものとしてポートフォリオは欠かせません。
2.ITを活用した共同授業
 準備として「命の誕生を見つめる」学習を行った。牛の誕生から育みまで、高校生との継続した交流をTV会議を使って行い、高校生から、命や健康について教えてもらう機会も設定しました。継続することで活動意欲も持続できました。
3.地域・社会と関わり、社会へ提案
 地域の専門家(保健師、福祉センター、保育所)養護教諭、給食栄養士と連携して、授業を計画し、体験や学習の支援をしてもらいました。現実の社会と関わり、成果を社会へ返すことで、学習が深まりのあるものになると考えています。


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