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  ■「総合とインターネット」(4)  2002.5執筆

◆農業高校と小学校を結ぶ「牛の出産」TV会議◆
 先日の5月12日(日)朝の8時55分、一頭の子牛が産まれました。逆子で産まれてきた子牛は仮死状態。必死の介護で子牛を助けようとしているのは、岡山の農業高校の先生と高校生。そして、その様子をTV会議の生中継を通して見守りながら、がんばれ!と祈っていたのは島根の小学生でした。

 このMMでもお馴染みの「授業にテレビ会議システムを活用しよう」を連載中の津田先生の学校(岡山県立高松農業高等学校)と私の学校(島根県加茂小学校)とでインターネットを使ったTV会議で、牛の出産の様子のライブ中継を行いました。9日の朝から兆候が見られるというので、農業高校の牛舎にTV会議のカメラを持ち込み12日の朝から夕方まで牛の様子を島根の小学校にずっと中継してもらいました。(すごい学校です!さすが農業高校です!)
 もともとは、「子牛の名前を小学生が付ける」という企画から始まったのですが、どうせ名前を付けるなら産まれるところからスタートしたい!そして、牛の出産という命の誕生に関わって「命」について小学生と高校生が共に考える「総合学習」の場にしていきたい!そう考えての取り組みとなりました。

 すごい!!と画面を見つめる子どもたちの目は輝いていました。大きなお腹の雌牛を見つめながら、早く産まれて!とみんなで願っていました。9日朝から夕方まで・・・。5時を過ぎてもスクリーンから離れない子どもたちが何人もいました。産まれる姿を見逃したくないようです。
 翌10日も朝から夕方までずっとライブ中継。全校で牛の出産を今か今かと見守っていました。

◆ついに出産!でも子牛は・・・!?◆ 
 お休みの11日(土)の中継はなしで、翌12日(日)は、何と日曜参観日。朝7時40分から接続開始。すでに出産の兆候が見られ、出産が間近のよう。見やすい状態にカメラを設定してもらう。親牛のモーの声も苦しそう。しかし、まだ産まれない。保護者の方もこれは何だ?という顔でスクリーンに注目。しかし、参観授業の開始は午前9時。子どもたちがライブ中継が見られるのも後少し・・・。2本の白い足(乳牛の足は白い)が見えた。必死で引っ張り出す農業高校の人達。緊迫感が子どもたちにも伝わってくる。逆子のようで、苦しそう。時間がかかると命が危ない。
 わっ!牛の頭が見えた!子牛が産まれた!!でも元気がない。
子牛は危ない状態。必死で対応している農業高校の人たち。(島根で子どもたちが見ている!担当の先生はすぐマウストゥーマウス?で人工呼吸をされたそうです。すごい!)
 しばらくして、子牛は無事。メスで名前を付けれるよ。と子どもたちに伝えました。(オスだとそこの農場では育てられずに、すぐ出荷されてしまうのです。)
 
◆小学生と高校生の命の物語は始まったばかり◆ 
 子牛の出産、生命の誕生の瞬間を子どもたちが見ることができたのはすごい偶然なのかもしれません。いろいろな人たちのお陰で生まれた奇跡なのかもしれません。おそらくこの場のことを子どもたちはきっと忘れないと思います。印象的な出来事でした。
 そして、子牛を通して、命について考えていく学習は今始まったばかりです。

この学習や交流の様子をこれから加茂小のHPでも紹介していきます。

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