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  ■「総合とインターネット」(3)  2002.4執筆

 ◆「総合」の学校としてのプランがありますか?◆

 新しい学年が始まり、日本全国で「総合的な学習」が本格的にスタートしました。みなさんの学校では学校全体での「総合」のプランがありますか?担任やそれぞれの学年の先生がバラバラに「総合」を勝手にやってはいませんか。

 今回は学校のプラン(学校カリキュラムとも呼ばれています。)を作るにはどうしたらいいかをまとめてみます。(ちょっと堅いです。)

1.まずは、学校カリキュラムの必要性の認識を!
これまでの試行期間中には、各学年主体でまず実践してみよう!と取り組まれたた学校が多いかと思います。自分の学級・学年の「総合」にだけ目がいきがちな場合が多いですが、教師集団としてその学校の全体の計画「カリキュラム」をどう作っていけばよいかという意識を持つことが大切。カリキュラム開発の力が今教師に求められている!って先生方が思うことがまず必要ですね。

2.実践から理論化・概念化を
 どんな内容をどの学年に・・・と机上で考えてもなかなかうまくいきません。実はこれまでの実践の中にヒントが・・・。これまでやってきた単元では、こんな力が育ったとか、この題材は、地域の中に協力してもらえる方がおられるとか・・・そうしたことを考えて、単元化できる題材を集めてみるのもよいでしょう。

 3.『どんな力を育てるのですか?』目標の具体化を
「総合」での「身に付けたい力」がきちんと位置付けられていますか。子どもたちの実態をもとに先生方で話し合って、全校で「こんな力を」というものを決めていくといいですね。そして、その「身に付けたい力」をもう少し具体的化して、○年生では・・・とか、具体的にどんな子どもの姿が見られるよいかを考えていくと学年目標や評価規準設定にも役立つものができていきます。
「総合」では、何をするかよりも、どんな力を育てるかがはっきりさせておく方がいいと考えています。「身に付ける力」がはっきりした上で、それを育てるには、どんな題材、内容をという順で考えてみたらどうでしょう。

4.『どうして○年生でこのテーマをするのですか? 』
スコープとシークエンス
「どのような活動内容をどの学年にどのような順序で配置するか」というのを次は具体的に考えていくようになりますね。スコープというのが領域で、加茂小の場合は、「価値ある体験」(どんな体験をさせたらよいか)そして、もう一つの軸がシークエンス(順次性)で「主体的な学びの力」としています。どうしてそのテーマ(単元)がよいのかがはっきりしているといいですね。

 5.カリキュラムは紙キュラムじゃない!
  〜作って終わりじゃやなくて実践しながら修正を!
計画をもとに実践して、年度の終わりにはどうだったかをきちんと評価していかないと“やりっぱなしの「総合」”になってしまいますね。子どもに力が付いたのか。子どもが意欲を持続させて取り組める題材だったのか、よく考えていくことが大切ですね。「題材はいいけど、指導が悪い。」とか「これはテーマが子どもには難しい。」とか客観的な評価も必要ですね。そして、修正を加えていき、子どもにとってよりよい「カリキュラム」に直していきたいです。

◆今年度の私と「総合」の関係◆
 今回の内容は、少し固い内容になってしまいました。研究主任としての取り組みを提案発表したときのものをもとにしています。

 さて、今年から教務の仕事をするようになりました。担任として「総合」をするという私の夢は今年も叶いませんでしたが、6年生の先生と一緒に「総合」をする機会に恵まれました。これからその活動の紹介もしていきたいです。

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