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  ■「総合とインターネット」(6)  2002.7執筆

 前回紹介した岡山の高松農業高校と島根の加茂小学校とのTV会議「奇跡のIT活用授業」のその後を紹介します。大きなドラマが待っていました。(長文になりすみません。)

◆6/28心をつなぐIT活用授業@◆
 未来教育デザイナーの鈴木敏恵先生が来校し、小学生と高校生の共同授業をコーディネート。「健康を考える総合的な学習」の実践として位置付けられた授業でもありました。
◎テーマ:みんなの命や健康を大切にしあえる未来にしよう。
◎ゴール『命や健康を大切にするためのハンドブックを作る』
○単元のねらい
(1)命あるものを大切にする心を育てる。    
(2)チームワークで問題を解決する力を育てる。 
(3)ITコミュニケーション力や表現する力を育てる。
○本時のねらい
・命は大切で、いろいろな人に守られながら、育まれていることに気づく。
○活動の流れ
@あいさつAねらいと流れの確認
B「ビバリー親子、命の誕生物語」これまでの経過の説明
C「私の命の育み物語」〜パーソナルポートフォリオ紹介〜
D小学生から高校生へのメッセージ&プレゼント
E歌Fメッセンジャー「鈴木敏恵」のお話
★授業の感想(保護者の方から)
 今回のテーマに大変興味を持ちました。その様子を現場でふれたいと思いました。娘が生まれる前のこと、誕生した時、そしてこれまで、牛の出産を通じて周囲の温かいサポート、親と子のつながり、人間以外の生き物に対する気持ちの変化や認識・・・私自身もいろいろなことを考え直すきっかけになりました。授業では、生き生きと目を輝かす子どもたちをウルウルとくる気持ちで見つめさせていただきました。お産に簡単なものなどない。娘が生まれる前、生まれる時、これまで、そしてこれからもいろいろな人の助けや愛情があってのもの。決して一人では生きられないこと。命の大切さをみんなで学習できたことをすごいチャンスだったなあ、ありがたいなと感じました。
 
◆6/28心をつなぐIT活用授業A◆
子どもたちのプレゼントを持って鈴木先生が島根から岡山へ移動して、TV会議の第2弾が始まりました。
○本時のねらい
・命をはぐくむ大変さを知る。
○活動の流れ
@鈴木先生到着・あいさつA高農「命あるもの」紹介
B全体のふり返りC鈴木先生の話
★授業の感想(高校生)
 加茂小のみんな心のこもったプレゼントありがとう☆牛の絵や手紙それに牛や牛舎やアクセサリーにタオルなどみんなそれぞれの気持ちがいっぱい入ったプレゼントすっごくうれしかったよ!!本当にありがとう。これからも、この掲示板にできるだけ牛のことを書くようにがんばります。みんなももし、牛のことやそれ以外の動物で知りたいことがあったらいってね!!できる限り分かりやすく教えます。みんなからたくさんの元気をもらいました。ありがとう(^O^)/みんなも牛や私たちに負けないように頑張れ!!

◆7/4心をつなぐIT活用授業◆
 一週間後、加茂小の参観日にTV会議を使った授業がまた行われました。
○本時のねらい
・自分達の思いや願いを込めて子牛の名前の提案を高校生にしたり、高校生の牛への思いを知る。
○活動の流れ
@牛の名前を提案
A高校生さんのお話
★子どもたちは、保護者の方の前で、自分達の願いを込めた名前をTV会議で高校生にPRしていきました。高校生からは、発表でつまったりすると「がんばれ!」と応援してもらいました。そして、後半は、自分の世話をしていた牛が死んでしまったことを高校生から直接話をしてもらい、会場は静まり、涙を流す児童もたくさん見られました。命の大切さを学ぶ機会になりました。

◆7/12加茂小に高校生来校!◆
 さらに一週間後、ついに直接の交流が実現!牛の名前の報告と前回のプレゼントのお礼に何と高校生が加茂小にやって来てくれました。この訪問は最初から計画されていたのではなく、小学生からのプレゼントをもらい、名前の提案を受けた高校生さんからの申し出で実現した出来事でした。
 高校生さんが来ることを知らせていなかった子どもたちは、高校生の姿を見つけると、歓声をあげて大きな拍手をして出迎えました。
お互いの心の中に一生忘れられない思い出が残ったことでしょう。

◆ITで心がつながる◆
 約2ヶ月間、加茂小には、毎日岡山の農業高校の牛が当たり前の風景のように映っている「窓」がありました。そして、相互の交流により、自信を持って牛のことを話してくれる高校生、生き物の命の大切さを直接聞く小学生。お互いにこの交流によって成長していく姿がありました。お互いにとって価値のある交流がITによって生まれたのだと私は確信しています。
 どうかこうした交流が日本全国でも生まれてほしい!高校や中学と小学校とつなぐ交流で、中高が元気なる!そんな姿を夢見ています。

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