U 「総合」をどう創っていくか
〜具体的なカリキュラム作成と評価の手順について
1.まずは、学校カリキュラムの必要性の認識を!
この試行期間中には、各学年主体でまず実践してみよう!と取り組まれた学校が多い かと思います。自分の学級・学年の「総合」にだけ目がいきがちな場合が多いですが、 教師集団としてその学校の全体の計画「カリキュラム」をどう作っていけばよいかとい う意識を持つことが大切。カリキュラム開発の力が今教師に求められています!
2.実践から理論化・概念化を
どんな内容をどの学年に・・・と机上で考えてもなかなかうまくいきません。実はこれまでの実践の中にヒントが・・・。これまでやってきた単元では、こんな力が育ったとか、この題材は、地域の中に協力してもらえる方がおられるとか・・・そうしたことを考えて、単元化できる題材を集めてみるのもよいでしょう。
3.『どんな力を育てるのですか?』目標の具体化を
「総合」での「身に付けたい力」がきちんと位置付けられていますか。子どもたちの実態をもとに先生方で話し合って、全校で「こんな力を」というものを決めていく といいですね。そして、その「身に付けたい力」をもう少し具体的化して、○年生では・・・とか、具体的にどんな子どもの姿が見られるよいかを考えていくと学年目標 や評価規準設定にも役立つものができていきます。
「総合」では、何をするかよりも、どんな力を育てるかがはっきりさせておく方がいいと考えています。「身に付ける力」がはっきりした上で、それを育てるには、ど んな題材、内容をという順で考えてみたらどうでしょう。
4.『どうして○年生でこのテーマをするのですか? 』 スコープとシークエンス
「どのような活動内容をどの学年にどのような順序で配置するか」というのを次は具体的に考えていくようになりますね。スコープというのが領域で、加茂小の場合は、 「価値ある体験」(どんな体験をさせたらよいか)そして、もう一つの軸がシークエンス(順次性)で「主体的な学びの力」としています。どうしてそのテーマ(単元)がよいのかがはっきりしているといいですね。
5.教科との関連は?「英語活動」や「情報」は?
実際の配列を考えていくと教科学習とリンクさせたり、地域の実態や季節性などを考えて配列していく必要がありますね。また、今日的な課題として英語活動や情報についてどうしたらよいか校内で話し合っておくのもいいでしょう。
6.カリキュラムは紙キュラムじゃない!〜作って終わりじゃやなくて実践しながら修正を!
計画をもとに実践して、年度の終わりにはどうだったかをきちんと評価していかないと“やりっぱなしの「総合」”になってしまいますね。子どもに力が付いたのか。 子どもが意欲を持続させて取り組める題材だったのか、よく考えていくことが大切ですね。「題材はいいけど、指導が悪い。」とか「これはテーマが子どもには難しい。」 とか客観的な評価も必要ですね。そして、修正を加えていき、子どもにとってよりよ い「カリキュラム」に直していきたいです。
7.終わりに 気楽に考えると・・・
すぐには学校としての「カリキュラム」はできないって考えると楽。暫定的な計画 を立てて、105〜110時間の実践を1年やってみてから、カリキュラムを見直し ていく方が現実的かもしれませんね。実践を通して見られた子どもの姿から「カリキュラム評価」しながら、よりよいものに近づけていく。そんなスタイルはいかがですか。