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■「プロジェクト志向でいこう!」(38)   2009年3月執筆

                   若槻 徹(島根県)
                 waka@bs.kkm.ne.jp    

今号は、ケータイ3部作の最終号。


◆携帯電話を買いに行きました。

3月8日(日)に娘(中3)の携帯電話を買いに行きました。中学校の卒業を前に催促されて、買うことになりました。(^_^;)
私が、県の教育委員会で「ケータイ関係」の担当をしていることを知ってか知らずかこの時期(中3卒業前)まで、「ケータイ買って!」とは言い出しませんでした。

さすがに、高校生になると携帯電話は必需品のようです。高校生のケータイ所持率は、かなり高く、ほとんどが持っています。島根でも95%以上です。

実は、高校生の携帯電話は、田舎にいくほど普及率が高いようです。他の娯楽がなかったり、情報を得る手段としてのケータイのウェイトが高いからでしょうか。我が家の場合は、通学のための交通の手段が自家用車しかないので、どうしても下校時の連絡用にケータイが必要という事情もありますが・・・。

我が家のように子どもに弱い(?)家庭では、高校入試(中学卒業)の前後に子どもにケータイを買い与えるパターンが非常に多いそうです。この3月にケータイデビューする中3(4月から高校生)が全国にもたくさんいることでしょう。


◆4月1日からフィルタリング強化

青少年インターネット環境整備法が4月1日から施行されることになり、フィルタリングの普及キャンペーンが始まりました。
http://www.iajapan.org/filtering/event2009/


通知文はこちら。
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/taisaku/__icsFiles/afieldfile/2009/02/10/1236332_1.pdf

何と6つの部局の連名。国がやっと重い腰を上げて、フィルタリングについて規制を強化しようとする動きが本格化しつつあります。

今回の法律で、次のような規定が加わります。
・18歳未満の子どものために携帯電話等を購入、使用させる場合は、保護者が子どもが使用することを事業者に申し出ること
(青少年の携帯電話等については、保護者からの申し出がない限り、フィルタリングが適用されることになります。)
・事業者は、使用者が未成年である場合には、フィルタリングを利用の条件として提供しなければならない。(保護者からの申し出があればその限りではない。)

つまり、携帯電話を子どもに使わせることを目的として契約する場合には、原則フィルタリングが加わることになります。
なお、残念ながら、この法律は、罰則がありません。

今回 娘の携帯電話を新規契約した時にも、当然フィルタリングについてお店の人から話があるだろうと予想していたのですが、全くありませんでした。黙っていたら、フィルタリングがかからないまま契約するところでした。

法規制の前だからなのかもしれませんが、売る方は、フィルタリングのことを考えていないようです。携帯会社側のフィルタリング強化の取組がまだ十分ではないようです。有害なものでも儲かれば売ってしまえばいい!(言い過ぎかな?)そんな体質はまだまだ残っているようです。

このフィルタリングが強化されて法律ができることを知らせるパンフレットが作られています。
http://www.iajapan.org/filtering/event2009/pdf/leaflet.pdf

配布枚数が最初は各県たったの100部でしたが、増刷の話を聞いて、ダメもとでたくさん頂戴!とお願いしたら、何と望みが叶いました!!何と9万部をただで手に入れました。県内の小・中・高校の全部の児童・生徒に配布することにしました。


◆ケータイ特集の新聞

前々号で紹介した新聞が先日発行されました。特集記事は、ほぼ全部私が執筆いたしました。途中で、記事の内容が減らされる危機もありましたが、何とか復活し、当初の原稿のままで発行されました。

保護者向け新聞「教育しまね」(PDF7.6MB)
http://www.pref.shimane.lg.jp/gimukyoiku/keitaimanual.html

内容的に、新しいものが入っているわけではないのですが、教育委員会の押しつけ的な内容にならないように工夫したつもりです。(若干そうなってますが・・・。)一番言いたいことは、保護者は、子どものケータイに関心をもってください!ほったらかしや言いなりではだめですよ!ということなのですが・・・。

インタビューにも力を入れました。
教育委員会としては言えないことを替わりに語ってもらっています。


◆県独自のケータイトラブル対応マニュアルの完成!

以前から4人でチームを作って取りかかっていました。みんなで分担して情報モラル教育の指導用の資料作成なども考えて作ろうとしていたのですが、・・・残念ながら(やっぱり?)作成できませんでした。学校現場での情報モラル教育をどう進めていけばよいかを示すものを情報教育担当に作ってほしかったのですが・・・。周りを巻き込む作戦でしたが、新しい仕事を増やしてやってもらうことが今回はできませんでした。

結局、私が担当した対応マニュアルについて、チームで検討してもらい完成という形になりました。

内容としては、まだ少ないです。文字ばっかりの内容だと見てもらえない。図式化できないか。必要最小限で。そんなコンセプトで作った簡単な冊子です。こちらにアップしています。

島根県ケータイトラブル対応マニュアル
http://www.pref.shimane.lg.jp/gimukyoiku/keitaimanual.html


行政1年目の今年度の後半は、ずっとこのケータイ関係の仕事に従事する毎日でした。

これから、自分の担当している他の事業のまとめ・報告と次年度の計画書作成で、自転車操業ならぬ一輪車操業(ふらふらしてもうすぐ倒れそう?)がしばらく続きます。

私の仕事には、フィルタリングはないらしい。



 
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