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■「プロジェクト志向でいこう!」(37)    2009年2月執筆

                   若槻 徹(島根県)
                 waka@bs.kkm.ne.jp 

◆島根県、公立小中のケータイ禁止   

前号で教育関係広報誌の「ケータイの特集記事」の紹介をしましたが、その後、このケータイ関係で非常に忙しい日々を過ごしました。(しています。現在進行形!)

こんなニュースがあったのをご存じですか?

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「島根県、公立小中の携帯禁止」

携帯電話に絡むいじめや有害サイトが社会問題化する中、島根県教委は29日、公立小中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止する方針を決めた。全国6府県目で、中国地方では初めて。県立高校についても朝礼から終礼まで学校での使用を禁止する。

島根県内では既に持ち込み禁止や使用制限などをしている学校が多いが、県教委として方針を決めることで現場での取り組みを徹底し、携帯電話トラブルの予防を目指す。30日に市町村教委と学校に通知する。

県教委によると、携帯電話の持ち込みを既に原則禁止しているのは公立小学校(250校)の約3分の2と中学校(104校)の全校。高校(44校)は15校が原則持ち込み禁止で、22校が校内での使用を禁じている。県教委生徒指導推進室は「家庭や学校で携帯電話の利便性、危険性について考えを深めるきっかけにもしてほしい」としている。

 (1月30日 中国新聞 地域ニュース より引用)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200901300001.html
(引用おわり)
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文部科学省が小中学校への持ち込み原則禁止の通知を出したのが、1月30日。その一日前に持ち込み禁止を県として決めたという次第です。

そして、その担当が私の仕事でした。内部事情は紹介できませんが、事の次第を少し紹介します。


◆なぜ通知を出したのか?

なぜ、1日前かというと、29日に県の教育委員会(教育委員による会)が開かれ、そこの決議事項として決まったからですが、文科省の通知に先駆けて発表することに実は意味があったのです。それは、マスコミの注目度が全く違うからです。さらに、

1.「国よりも前に出す!」
2.「国よりも踏み込んだ内容にする!」
3.「持込禁止だけでなく、根本的な解決に向けてのメッセージを込める!」

  こうしたことを考えて、教育委員会の中で調整作業(コンセンサスをえる)を進めていきました。

学校への実態調査で、小・中は「原則禁止」や高校は「原則使用禁止」となっていたので、今さら通知を出す必要はないという考えもあるでしょうが、教育現場の先生たちの後押しをしたり、この機会にケータイ問題について考えてもらいたい!そんな意味があったのです。


◆報道以後・・・

29日の報道以来、この携帯電話の持込禁止の通知に関わって、マスコミの取材が相次ぎました。テレビ局も3社、カメラでのインタビュー取材がありました。最初は、担当の私がテレビに出てしまいましたが、その後は、上司が対応で、私自身が表に出ることはなくなりました。1年ぶりのテレビ取材(前年度の小学校でのイベント以来)で、とても緊張しました。

そして、タイミングを合わせるかのように(私が意図したわけではないのですが・・・)教育関係広報誌の「ケータイの特集記事」作成の仕事、更に県のケータイトラブル対応マニュアル作成の仕事が続きました。まだ完了!という状態ではないのですが、完成の見通しが立ちました。

◆今回学んだこと

“疲れた!”・・・物事を進めるにはなかなかうまくいかない。・・・やっぱり、段取り力が必要なんだ!自分自身を高めるには厳しい環境ですが、そうした行政の柵(しがらみ)を感じながら、今ある自分を生かす道をこれからも探っていきたいと思います。

・一人でやるのは簡単だ。でも人を巻き込んで、一緒にやらなきゃ意味がない。

・一人でやっていくのは難しい。でも人の力を借りて、チームならやり遂げられる。

まだ、忙しい日々が続きそうです。

 
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