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■「プロジェクト志向でいこう!」(33)  2008年10月執筆


                    若槻 徹(島根県)
                   waka@bs.kkm.ne.jp    

◆不機嫌な日々1「新聞に名前が出た!」

地元紙に名前が出るのは初めてではありませんが、新しい職場になって初めて載ってしまいました。それも、予想もしない形で・・・。

あまり詳しくは紹介できないのですが、県の教育委員会で私が担当している分野についての記事で、記事(新聞記者)の主張は、鳥取県は進んでいるのに、島根県は全然進んでいない。担当の若槻指導主事は「○○したい」と言っているが、担当の部署内では、「○○する」ことすら共通理解できていない。島根県、しっかりしなさい!といった内容でした。(内容が具体的でなくてすみませんm(_ _)m)

新聞を読んだ人は、
・島根は鳥取に比べて積極的に取り組んでいない。
・若槻指導主事は、組織の中で浮いている。
といった印象を持ちそうです。

事前に新聞記者の取材は数回あったのですが、まさかこんな記事になるとは思ってもみませんでした。「○○したい」と言ったのは、数ヶ月前。現時点では、○○するよりもっと具体的な対応をするべきだと判断して、別の準
備を進めていました。担当の部署内でもそうした共通理解をしていました。こうした状況の説明はしていたのですが、新聞記者さんに、「○○する」ことが最も大切だという視点に立った意図的な記事を書かれてしまいました。

これまで新聞に私が登場したのは、自分の行った情報教育や総合学習の実践の紹介で、一教師としての紹介でしたが、今度は違います。島根県を背負って登場し、事実とは違う形で名前が使われてしまいました。

ショックで落ち込んでいましたが、同僚からはそういうこともあると慰められておりました。県の教育委員会に所属したが故の私なりには“事故”に出会ってしまいました。

でも、このままでは終わらないぞ!この借りはいつか返してやるぞ!!私の内なる闘志に火がつきました!


◆不機嫌な日々2「 お役所仕事はハンコが命!?」

教育委員会は、お役所ですので、いろいろな文書を作成することがよくあります。「起案」という作業です。所属長名で文書を出しても、その文書を作るのは部下の仕事ですから、その文書が適正かどうか審査をする過程が必要となります。まず、自分で最初に文書を作成して、最初に同じ部署の同僚にその文書を見てもらい、次に上司に次々に見てもらうことになります。これでいい!というハンコを次々に押してもらうことになります。

そして、その起案文書や作成する文書には、いろいろな決まり事があります。学校で作る文書にもいくらか約束事はありますが、いわゆる公文書にはなかなか古くさい、細かなものがたくさんあります。

文字を○マスあけて書くとか、数字の使い方とか、漢字やひらがなの使い方、言い回し(「・・・。ついては・・・」や「○○してよろしいか伺います」等)など、お役所でないと使わないだろうという部分が大切にされています。

ハンコをパソコンでするという電子決済のシステムもあるようですが、私の職場の実際は紙ベースで文書を閉じたバインダーが机の上を旅してまわって、ハンコが増えていくシステムです。そして、これはおかしいのでは? という場合には、直接問い合わせがくるし、明らかにミスだよという時には訂正が書き込まれます。

教育委員会事務員としてはまだ未熟な私には、時にはこのハンコがもらえなくて、指導してもらうことが時々あります。

毎日、修行の日々を過ごしておりますが、「きちんとした文書を出すこと」を求められてはいるけど、もっと大切なことがあるはず。現場の役に立つこと、自分でないとできないこと、そんな仕事をするために、私はここにいるんだ!心の中の自分に言い聞かせながら、時々弱ってしまいそうな心の中の炎が消えないように、自分自身を奮い立たせています。


◆ご機嫌な出来事も・・・

こうした不機嫌な日々の中にも、時にはご機嫌な出来事も起きています。前号で紹介した島根県の教員採用試験で、私の知人で、36歳の講師の先生が合格した!という知らせを聞きました。10年以上挑戦し続けたけれどずっと合格できなくて、2年前には34歳の年齢制限が壁に阻まれて受験できなくなっていたのですが、今年度から44歳に引き上げられたので、3年ぶりに挑戦して、やっと念願が叶ったというニュースでした。一度閉ざされた門が開き、その狭き門を自らの力で突破した彼の努力の結果に・・・とてもうれしい気持ちになりました。そして、心の中で「神様ありがとう」と叫びました。


このMMでの私の拙稿に対して時々、感想をお寄せいただける方があります。「総合学習回顧録ー小学生ママと総合学習」を執筆中の兵庫県の名生修子先生です。本当にうれしいです!まだ、直接お会いしたことはないのですが、ご丁寧なメールをいただき、私自身元気をいただいています。名生先生ご自身のMMも、いつもその前向きな生き方が伝わり、毎回楽しみにしています。


◆「だんだん」スタート

NHKの朝ドラで松江(と京都)が舞台の「だんだん」がスタートしました。

地元では、出雲弁が変だ!と言いながら、かなり話題になっています。全国の人
に島根がどう思われるのか心の中で心配しながら、毎日見ているといった感じで
しょうか。

※「だんだん」とは出雲弁で「ありがとう」の意味

10月3日のこのMMの編集日記に竹内まりやさんの歌「人生の扉」が紹介されていましたが、この朝ドラの主題歌(とナレーター役)も、竹内まりやさんです。島根県出身の出雲大社のすぐ近くの旅館のお嬢さんです。

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『縁(えにし)の糸』(作詞・作曲:竹内まりや 編曲:山下達郎)

「袖振り合うも多生の縁」と 古からの伝えどおり
この世で出逢う人とはすべて 見えぬ糸でつながってる
天が描いた シナリオに沿い あなたと私知り合うの
時に愛して 時には泣いて やがて固い絆へと
どんなに細い縁の糸も 物語運んでくる

「つまずく石も縁の端」なら 今日すれちがう旅人が
ふと投げかけた微笑みさえも 運命からのプレゼント
時空を超えて 何度とはなく 巡り合うたび懐かしい
どんな小さな縁の糸も 何かいいこと連れてくる

たとえ糸がもつれ合っても 結び直せばまた会える
私たちの 果てない夢は ずっと永遠につづくから
強く結んだ縁の糸が 未来のふたりつないでく
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名生先生とのご縁をありがたく思いながら、ひょっとして“新聞記事”や“起案”も何かの縁 運命からのプレゼント・・・?  

いや まだ「だんだん」とは言えない。 


 
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