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「プロジェクト志向でいこう」(22) 2007年10月執筆
                      

◆情報教育先進県はどこ?

 11月2日に市内の小中学校を会場として、「島根県メディア教育研究大会」が開催されます。小学校の授業公開の一つで、テレビ会議を使った総合学習が行われ、その授業の指導を私が担当しています。

「情報教育」というのは、専門の知識が必要な特別のもので、授業では、パソコンを使わなくちゃいけないと思っている先生たちはまだ多いようです。認識が低いのは、私の身近な人たちだけではなく、全国的な傾向なのではないでしょうか。
 そして、「自分の専門は、情報教育です。」という先生に、私は島根県で会ったことがありません。熱心な先生はきっといらっしゃるのでしょう。でも、その割合は…かなり低いです。

 では、本当に「情報教育」の進んでいる県はどこなのか調べてみました。

文科省が毎年行っている「教育の情報化」の実態調査によると

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/07/07071914/001.pdf

教員のICT活用指導力の状況のナンバー1は、茨城県!2位が沖縄、3位が岩手。このトップ3は以下の5つの全部の調査項目を通じて同じでした。

・教材研究や指導の準備にICTを活用
・授業中にICTを活用
・児童、生徒にICTを指導する能力
・情報モラルの指導
・校務への活用

 トップの茨城県は、マイクロソフトによる3年に渡る教職員への研修の成果が出たと喜んでいるらしい。どのくらい学校教育のICT化推進にお金をかけたのか調べてみると、H18年度予算で約16億円。研究学園都市つくばを抱える茨城県は、さすがです。

 わが島根県はどうかというと実態調査のポイントがだいたいが40番ぐらいで、…低調です。

 この調査自体は、教職員の自己申告によるものです。「実際に本当に指導できるのか?指導しているか?」というと少し割り引いて考える必要があるかもしれません。

 地域間のデジタルデバイド(パソコンやインターネットなどのITを使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差)は、実は、日本国内でも生じていると感じるのはわたしだけでしょうか?



◆メディア教育研究会の公開授業

 「島根県メディア教育研究大会」でテレビ会議を使った総合学習の授業者の先生には、何度かお話をしています。その時のメモは次の通り。

○授業に関わって
1.「TV会議」を活用した授業は提案性が高い!
・遅れた島根のIT活用授業の今後に役立ちます。がんばってください!

2.「情報モラル」の育成と関連づけた指導もいい!
・情報モラルとは、PCの向こうの“見えない相手をどう意識できるか”です。それを、メール、掲示板、ホームページの活用等実際の交流を通して学ぶことが大切です。

3.「TV会議」を授業の目的にしない!
・単元のねらいを達成するために、子どもに育てたい力をつけるための“手段”としてTV会議を位置づけたいです。“始めにTV会議ありき”にならにように。

★小学校における情報教育は、教科等の学習を通して進めていくべきものです。
(スキル習得を目的とした学習や情報モラルの学習はあるが… )

4.「TV会議」で何を相手に伝えるかが大切!
・TV会議は一つのコミュニケーションのための道具(ツール)
・交流相手校の子どもたちに伝えたいものは何?まず、それがないといけない。

5.「TV会議」以外の交流手段も考えたら、「TV会議」のよさがわかる!
・手紙、メール、掲示板…いろいろ使う。
・日常の自由なTV会議も有効(休み時間、給食)


◆未来教育プロジェクト学習の手法も取り入れて…

 総合学習のよいモデルとして、未来教育プロジェクト学習を授業者の先生に紹介しました。全てを理解してという状況ではありませんが、私がアドバイスをしながら、プロジェクト学習の手法を用いて、授業は進んでいます。


 実際に、これまで情報教育や未来教育プロジェクト学習の経験のない先生にそのポイントを伝えるのは難しいなと感じながら、その先生の一生懸命の姿に私自身もどう教えてあげたらよいか悩んでいます。


◆TV会議の交流相手は…私の学校

 当初の公開授業のTV会議相手校は、県外の学校だったのですが、ネットワークのシステム上の問題で、やや難しくなったそうです。そこで、別の相手校も探す必要がでてきました。TV会議が自由にできて、担任同士が知り合いということで、何と私の学校とTV会議をすることとなりました。TV会議の片方が自分の学校ですので、指導もしやすい状況になったのですが、総合学習を中心になって進めているは、私自身です。全校体制で取り組んでいるので、私の学級の子どもたち(4年生)も一緒にTV会議をすることになります。

 ということは…私は、公開授業の時の授業者!そして、研究協議の時の指導助言者!

 というわけで…昨晩も授業者3人(授業公開の学校の6年生担任と私の学校の高学年担任と私)で、打ち合わせ・協議を夜遅くまでやっていました。


 二足のわらじは、(教頭+担任)だけでなく、(授業者+指導・助言者)にも広がってしまいました。(T_T)



※今号で紹介した研究会の紹介

11月02日(金) 島根県メディア教育研究大会 (兼 浜田市教育研究大会)

 午前中の授業公開は、浜田市立原井小学校 
http://www.hamada.ed.jp/harai/
 
 TV会議の様子はこちら
http://www.uno-s.net/class/3/tvkaigi/top.htm

 午後の講演会は、講師:鈴木敏恵先生です!!
http://www.suzuki-toshie.net/koen.html

参加の申込先はこちらの「岡見小学校」まで
http://port.shimanet.ed.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=SHOPB7ActiPageP0000&f=&p=&o=307::1193::1204
 
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