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■ 「プロジェクト志向でいこう!」(15)  2006.7月執筆


◆午前1時30分の電話

7月19日(水)の早朝(と言うより深夜)私のアパートの電話がなりました。学期末の仕事を終えて、午後10時に帰宅して、0時ごろ眠り始めた私は、頭がはっきりしないまま受話器を取りました。

「集中豪雨のため小学校の体育館を避難所として開けてもらいたい」という市の教育委員会からの電話でした。学校の鍵の管理をお願いしている家があることをお知らせしたものの夜遅かったので「教頭の自分が行きます!」と深夜の出勤をしました。

雨の中、車を走らせながら、避難する人がどのくらいいるだろうか?避難してもらう人には狭い学校の中のどこで生活してもらおうか?終業式までの2日間どうしよう?いろいろなことを考えていました。
 
しばらくして、学校に着くと教育委員会の人が心配して来てくださいました。やがて、市役所の担当の職員の方が来校。避難所を開設という運びになりました。

いろいろ話を聞いてみると、避難勧告は出ていないが、自主避難をされる方があるかもしれないので、学校を開けて電気をつけておくという処置をとりたいということでした。

やがて、私の学校だけでなく、市内のいくつかの学校も避難所として開放してほしいという連絡がうちの学校に来ていた教育委員会の方にありました。そして、私の学校から、市内の該当校の管理職(教頭・校長)へ電話を…。つながるところもあれば、時間が深夜の2時過ぎだったので、なかなか連絡がとれなかったようです。

市役所の担当の方が来られたので、私は帰宅してもいいと言われたのですが、責任上ずっと残っておりました。


◆大雨の情報を得るには…

避難してくる方はないものの学校に照明がついているというので、地区内のパトロールをしていらっしゃる方が声をかけてくださいました。○○で土砂が崩れているとか川の水位が高いとか…いろいろな情報が入ってきました。

大雨の情報を得ようとテレビをつけてみました。NHKさんが文字情報を流していますが、県内全体の情報なので、地域の情報は分かりません。

インターネットで調べようと思っても、詳しい地域の情報は分かりませんでした。浜田市のアメダスの1時間ずつの降水量がやっとでした。そこで、浜田市のホームページにアクセスしてみました。

「浜田市の緊急情報」
http://www.city.hamada.shimane.jp/cgi-local/rus/kink/r.cgi

詳しくは載っていません。(だめだこりゃ。)

避難所の担当ということでいらっしゃった方が市の情報管理課の方だったので、緊急情報について聞いてみようと思いましたが、結果が予想できたので、やめておきました。

したがって詳しい大雨や災害等の緊急情報を得ることなく、外が明るくなるまで職員室で市役所の方と二人で過ごしました。

ITによって生活が便利になり、情報を得ることが簡単にできる現在ですが、意外に身近な緊急の情報が手に入らないことが残念でなりませんでした。


◆夜が明けて…
 
朝の5時くらいになると外が明るくなってきました。学校の周りをぐるっと巡回して「異常なし」。近くの川へ行って水位を確認し「まだ大丈夫」。一安心しました。そして、朝の6時ごろ、市役所からの電話で、「避難所の開設は終了」職員の方は帰庁されました。そして、地域内の通学路を車で回って確認し、「通学に支障なし」。

ありがたいことに地域の方が、朝ご飯を学校に持ってきて下さいました。m(_ _)m

長い夜が終わりました。そして、そのまま学校の勤務を続けました。本当は眠くて早く帰りたかったのですが、終業式前日のこの晩も残業をしてしまったので、20時間勤務?


◆実際にはあった!

後日、緊急情報を手に入れる方法はなかったのか調べてみました。

すると、島根県の砂防課のホームページ中に「土砂災害警戒リアルタイム雨量」というページがあり、私の学校の地域(宇野町)の雨量が表示されていました。
http://www.pref.shimane.jp/section/sabo_uryo/377.html

また、県の河川課のホームページにも「雨量」や「川の水位」の現状がわかるページがありました。
http://www.pref.shimane.jp/section/uryousuii/menu.html

浜田市にも、電話やFAXで情報を得る方法があることがわかりました。
http://www.city.hamada.shimane.jp/kyukyu/kyu/dosya_system.htm


知っていればよかったなあと思いつつ、このページの存在を何人の人が知っているんだろう?せっかくの情報もその存在を知られなければ役に立たない。知らせる工夫をする大切さを考えました。

無人観測所から送られてくるデータを自動的にネットに載せるシステムは、きっとすごいお金がかかっているんだろうな。でもそれを人に知らせるには、きっとそれほどお金はかからないんでしょう。「○○を見たら情報がありますよ!」と伝えればいいのです
から。

肝心なPRの大切さを今回私は学びました。


 
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