「プロジェクト志向で行こう!」 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 |
■「プロジェクト志向でいこう!」(5) 2005.9月執筆 ◆“教員評価プロジェクト”スタート! 来年平成18年度の公務員評価制度の導入に向けて、島根県でも教員評価がいよいよスタートしました。既に導入されている県もあれば、今年度は、モデル校でのみ実施という県もあるようですね。 教員評価の体制が島根県でもやっとでき、全県下で2学期のみで試行的に実施という形で始まりました。 ※島根県の教職員評価システムについて http://www2.pref.shimane.jp/gimu/hyouka/ 本来、1年間で行うべきものを4ヶ月でやっちゃうというのが実はいいのかどうか考えてしまいます。1年間の目標設定と中途の3分の1の4ヶ月間の目標設定では違うのだと思いますが、“まじめな”県民性?からか、1年間向きの(ひょっとしたら数年間並の?)目標を設定してしまう先生たちもいるような気がしています。 私の勤務する学校でも、教員評価の試行がこの2学期から始まりました。私自身は教頭として評価する立場でもあるのですが、どうせやるなら先生たちにとって価値あるものにしたい!と校長先生と二人で自分の学校の教職員評価システムを考えてみました。 キーワードは、「教職員ポートフォリオ」と「共有」。 学校の先生たちの意欲を引き出し、向上心を持ち、協力しながらお互いに成長しようとする仕組みを作っていこうと“教員評価プロジェクト”をスタートしました。 ◆目標(管理)シートの工夫 島根県での目標(管理)シート「自己目標評価シート」はこちらのページからダウンロードできます。 http://www2.pref.shimane.jp/gimu/hyouka/sheet/sheet.html (島根県の特徴は、「校内組織の支援」を入れたところだそうですが…。) 現在、いろいろな都道府県の教職員評価システムについてネット上にも公開されています。 ※参考URL (信州大学教育学部附属教育実践総合センター 教員評価関連リンク集) http://cert.shinshu-u.ac.jp/pt/teacherassessment.html#hyoka (島根の教育研究会 教員評価へのリンク) http://fish.miracle.ne.jp/adaken/link/jinji.htm どの都道府県もA4形式1枚で、「自己目標とその手だて」、そして「自己評価」と「評価者からの記述欄」が載っています。(中間の評価の欄がある県も見られますが…) いずれにせよどこも似たり寄ったり…。 だれのための目標(管理)シートかって言うと、どうも評価する側、管理する側のためのものって感じがします。 問題点は、目標の前提にある“ビジョン”(願い)を書く場所がないことや具体的な手だてや計画を書くスペースがないことです。目標を立てて実践する人にとって、常に目標を意識したり、実践に役立つものにするには、具体的なタイムスケジュールを意識できるシートが必要になってきます。 そこで、私の学校では、具体的な計画を記述する“目標成功戦略シート”を追加して作りました。「いつ何をどのくらいするのか」や「中間発表会での相互評価」を記入する欄も作りました。 ◆教職員ポートフォリオの導入 シートだけでは、具体的な取り組みが見えません。自分がやったことの“証拠”や成長の足跡を集めたポートフォリオを作ろう!と提案して、取り組みを始めました。教職員全員がポートフォリオを作り、そのポートフォリオは職員室の中に集めて置き、誰が見てもよいことにしています。 各教室に子どもたちの総合で使うポートフォリオがあるのと同じように、職員室に先生たちのポートフォリオが並べてあります。 もちろんポートフォリオのよさや活用法については、これまでに校内で研修を進めています。 ◆共有の大切さ 教職員評価っていうとどうも評価される人と評価者(管理職)の1対1(2)の関係で進められるイメージが強いです。「面接」というのも「個人面接」で行われるようです。 先生たちに個別に支援が必要な場合は、個人面接(面談の方が適切か)も必要だと思いますが、私の学校では、個人の目標を共有する場(目標発表会)、中間の成果発表会、最終の発表会を設定しています。 みんなの前で「○○をがんばります!」と決意を述べること、お互いに目標を知って共有することで、先生たちの意欲が増し、切磋琢磨しようとする仲間意識が生まれると考えました。みんなで成長しようという意欲をもつために“共有”はかかせません。 ポートフォリオも共有しようと考えています。 そして、相互評価も大切だと思います。 校長も教頭も学校の校務技師さんもみんな決意表明を行いました。管理職の評価も先生たちにしてもらおうと考えています。 ◆どうなる教員評価 「教職員評価で人間関係がギスギスする。」「教職員評価で管理職が威張り出す。」 いろいろな懸念があるようです。 本来、教職員評価自体は、民間企業で使われている「目標管理手法」を導入し、評価を給与に反映させようという制度です。 それを形式的に取り入れただけでは、学校組織の活性化や教員の資質能力・意欲の向上を図ることはできないでしょう。 先生たちの意欲をどう引き出すか。成長しようとする教師をどう育てるか(人材育成)これからの学校で必要なことです。 そして、このノウハウこそ「自分で目標(テーマ・ゴール)に向かって、具体的な計画を立て、自分の考える力を養っていく」というプロジェクト学習の手法の中にあるのです。 私の学校は、全職員9名の小さな学校です。児童数20名の家族的な学校です。 だからこそ“教員評価プロジェクト”ができるのかも…。 いや総合でプロジェクト学習に取り組む先生たちだからこそできるのかも…。 1年前には、私は、教育実習をポートフォリオとプロジェクトベースで実践していました。そして、今は、教員評価にポートフォリオとプロジェクト学習を導入! “意志ある学び”未来教育を提唱する鈴木敏恵さんは、今学力世界一のフィンランド視察中。 学び続ける教師を育てるポイントを鈴木さんから聞いてみたい! 10月8日(土)未来教育ワークショップin東京 http://www.mirai-portfolio.net/workshop/1008.pdf |
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