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■「プロジェクト志向でいこう!」(2)   2005.5月執筆


◆学校のホームページ(HP)は当たり前!?

情報教育とかIT活用とかインターネットの教育利用には、HPによる情報発信は欠かせない。また、学校の情報公開の手段として、HPは欠かせない。そう考える学校は増えているようです。

現在の日本の学校のインターネット接続はほぼ100%で、HPのある学校は、日本全国で67%。(1年前)

最新データはこちら
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/07/04072101/002.pdf
文科省の調査(H.16年3月時点)では、小学校のインターネット接続率は99.7%、中学校は、99.9%、高校ではついに100%です。そして、HPのある学校は、小学校が64%、中学校が63%、高校が93%となっています。おそらく現在では、その数値はもっと高くなっていることでしょう。
回線状況では、インターネット接続回線速度が400Kbps以上の高速インターネット接続学校学校は、72%となっています。(うちのようなISDNの学校はもう少数派です。)


◆宇野小のHPを作ろう!

学校の正式なHPはまだないけれど、子どもたちは、パソコンでHPを作ったりする学習もしてきていました。学校のパソコンにHPを作るソフトが入っているとのこと。パソコンは5台しかないけれど、全校20名の小さな学校の有利さを生かして、やるぞ!世界に発信!!新しく学校のHPを作ろう!とすぐに考えました。

子どもたち自身が情報発信するには、少し時間がかかりそうです。HPは作っただけでは誰も見てくれません。まずは、人が注目するようなHPを作る必要があると考えました。そのためには見せるためのHPの工夫が必要です。鮮度の高い情報やほかの人にも役立つ情報とそれをPRするための戦略が大切です。数多あるHPの中で、うちの学校ならではのウリが必要です。

今自分にできることは、頻繁な更新。動画入りコンテンツ。携帯サイトも。ブログもできそう。おもしろそうだなと思わせるHPを立ち上げてから、子どもたちの情報発信を進めていきたいと張り切っていました。

そして、少しずつ材料を集めて、連休の2日間かけて学校のHPを作成しました。


◆まずは…職員会提案

こんなHPを作りました!と先生たちを少し?びっくりさせました。そして、「HP作成のガイドライン」が必要!ということになりました。(そりゃそうだ。)そして、無料で作れるHPスペースはたったの10MB。(もう2MBも使ってます。)新しいレンタルサーバを借りるにはお金がかかる。お金の相談は、教育委員会へ。


◆教育委員会で…う〜ん。

学校のHPの立ち上げについて教育委員会の方に相談をかけてみました。情報について詳しい方で情報関連の部署の仕事の経験者の方だったので期待していました。
「こういうHPを作ったので載せたい!でもスペースは少ないのでレンタルを使いたいが経費がかかる、何とかならないか。」という相談でした。「積極的にどんどんやってください。」という理解者を得るつもりだったのですが…。結果は…。

その担当者の方からは、情報保護の立場の話やイントラでやったらとかHPのテンプレートを使ってHPの更新がしやすいようにしたら…とか教育畑とは違うお話を聞かされてしまいました。学校のHPを立ち上げること自体にハードルを高くされてしまい、普通ならやる気をなくされてしまいそうな感じでした。

私がこれまで「学校インターネット」事業などでインターネットの教育利用を進めることを全国的に取り組んできたと自己PRをしたつもりでしたが、通じなかったようです。「個人的な意見を聞かせてほしい。」と言ったので、(自分の方がインターネットはこんなにくわしいよ。)という話を聞くことになってしまいました。

しかし、私自身は、逆にファイトが沸いてきました。(こうなふうに使えるぞ!)と思い知らせてやろう!!情報専門家の人に本当の情報教育はこうするんだと思わせてやるという目標ができました。


◆別の会で…う〜ん2。

HPについてある会で話をしてみました。「こんなHPを作って情報発信したい。」「写真は個人が特定されないように気をつけます。」と説明をしました。

すると、PCやインターネットに詳しそうなある方から、情報セキュリティをきちんとしないといけないとか、学校のHPの顔写真を見て犯罪が起きる?(可能性は0ではないが、新聞やTVだってもっと危ないのにどうしてインターネットだけ?)今は熱心な先生がいてHPが作れてもいなくなったらどうするの?(だからHP作らない方がいいの?)のという発言が…。
(うっ、まただ…)



◆大切なのは

日本には、厳しい個人保護条例のためにHPが持てない学校もあるそうです。肖像権やプライバシー、防犯上の安全対策等はどれもHPを作る上で大切なことです。しかしながら、それに過剰に反応することは、学校のHPの意義を無くしてしまい、制作への意欲を持てなくしてしまいます。

現在の状況を打破し、宇野小のHPを立ち上げるには、もう少し時間がいるようです。

でも、ハードルが高ければ高いほど、でも、いずれ見ておれ!!と闘志もわいてきました。自分のためじゃない。子どもたちの教育の可能性を広げるために!「石橋を叩いて渡らない」人や「怖いから叩いて石橋を壊しちゃう」人たちに、インターネットという石橋を渡った先に広がる交流の姿を見せてあげよう!

とことんやっちゃうよ!!反逆のエネルギーが…、満ちあふれてきました。

 
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